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油防除講習会の実施

油防除の基礎について
実施日時平成29年9月4日(月)
釧路管内沿岸排出油等防除協議会
場所:釧路市 くしろ水産センター(マリントポス)3階会議室
 
講習会概要
油防除の基礎
 
 
別添資料に基づき説明
はじめに
■油濁事故により起こりうる様々な被害
人的被害(毒性、引火爆発、健康被害)
漁業(漁業の制限、漁具、船舶の汚染)
産業(出入港船の停止、発電所等の取水制限、港湾施設の利用停止)
海岸線(岩場、砂浜、湿地帯等の汚染)
海洋生物(生物への悪影響)
レクリエーション(観光、海水浴、キャンプ、釣りなどの制限)情報の収集
 
○いつ、どこで日時、場所(沖合、沿岸)
○どうして(どこから)船舶?河川?工場?
(船舶であれば船舶所有者の氏名・住所、船舶の
名称、種類、総トン数)
○油の種類重油(A、C)、軽油、原油
○流出した量量、流出海面の範囲
○どこへ(流出の方向)流れていく方向
 
関係機関への通報
海保、都道府県、市町村、港湾・漁港管理者、
漁連・漁協、河川管理者、消防
 
流出油の種類の確認油の種類(原油からの精製)
 
油の種類、蒸発分による火災や健康被害への注意など
(1)原油爆発、有毒ガス、エマルジョン
(2)ガソリン引火爆発
(3)LNG貨物温度-162℃
(4)A重油、軽油、灯油蒸発、薄い油膜
(5)C重油エマルジョン
(6)ケミカル有毒海で流出する主要な油の性状
 
A重油常温ではサラサラ、水面
では広がる
小型船の燃料、陸上工場
ボイラー燃料等に使用
 
C重油粘りけが強く、水面では
固まった感じ
大型船の燃料等に使用
 
〈シート型油吸着材〉
二次汚染防止のためオイルフェンスや長尺型マットで
全量回収包囲した中に散布
ロープで固縛
 
<万国旗型>
展帳・回収が容易
 
様々な防除資機材の使用例低粘度油用(A重油)
 
〈長尺型油吸着マット〉
棒等の一端を電柱に縛って人が保持する方法
強風の場合マットがあおられてしまうおそれが
あるので注意しなければならない。
ロール型のまま海面に投入する方法
強風の場合はこちらの方法が良い
長さ:65m
ロール型
(1巻17Kg)
Z型
(幅65cm長さ25m)
強風であってもとばされずに展帳可能
ただし、必ず海面に投入すること
 
 
海上からの回収
鈎棒を使って回収ネット等の下に吊り掛けロープをまわします。
岸壁上から吊り掛けロープの先端を引き揚げます。
クレーンを使って引き揚げ
トラックへの回収
 
◆テトラ・岸壁等に付着した油の回収方法
高圧放水で付着した油をテトラ・岸壁などから洗い流す。
高温水は使用してはならない。
洗い流した油が浮遊しないよう、前面に長尺型油吸着マットなどを張り回収。
 
オイルフェンスについて
 
オイルフェンスを張る目的
■流出した油の拡散を防止、脆弱な場所の保護を目的とした資材である。
主な効果は、「集める」「誘導する」「囲む」「保護」すること。
■単体で使用する資材ではない
油を回収するのは資材や機械類となるので、オイルフェンスを張る場合、
必ず回収方法もセットで考慮しなければならない。
 
構造と種類(例:B型)
①浮体、②スカート、③テンションベルト、④錘、⑤接続部、
⑥牽引・係留用ロープ取付部(アンカーポイント)
30cm
40cm
接続部80cm以上
 
性能の限界
■滞油性能
堰き止められる油量が限界を超えた場合、油はスカートの下からくぐり抜ける。
■スカートのめくれ現象
潮流等の影響を受けスカート部分がめくれ油がくぐりぬける現象。
■くぐり抜け現象
流速約0.3m/sで、油はちぎれてスカートの下をくぐり抜ける。
■乗り越え現象
波長、波高が限界を超えると、油はOFの上部を乗り越える。
※海象や気象等の変化があることを前提に、オイルフェンスの
効果は一時的なものと考えること。
B型基準:潮流0.5ノット、風速10m、波高1m
 
オイルフェンスの展張は準備が大事!
■展張計画を立てる
いつ、どこに(展張の時期と位置)
何のために(展張の目的)
どのような形状で(展張の形状)
どのようなオイルフェンスを何本(型式と数量)
※他にも、「輸送方法・時間」「作業員、作業船」「所要資機材の確認」
 
展張形状
■主な形状
直線(集める)包囲(囲む)保護(保護する)誘導する
待受(集める)曳航(集める)閉鎖(囲む)多重(1~3m間隔)
取水口
 
型式承認について
A型、B型(型式承認制度あり)
・法律により構造、規格等が規定されている。
・さらに細かい性能等の検査を受ける、型式承認が行われている。
・原則、同型式承認品であれば異なるメーカーでも接続可能。
C型、D型(型式承認制度なし)
・海洋汚濁防止装置開発委員会で耐油性能等の性能を基準に開発されている。
・法的な寸法や規格は決められていない。
※備蓄義務
海洋汚染防止法に基づき、タンカーや油保管施設は一定数量の
オイルフェンスを備蓄する義務がある。備蓄義務のあるオイルフェンスは
型式承認のあるものに限られる。
 
資材の確認
B型オイルフェンス100mを台形展張する場合
(3)接続に必要となる資材
シャックル
潤滑剤
スパイキー
ハンマー
結束バンド
ガムテープ、ビニールテープ
(4)回収ポイントの作成
ブルーシート
ドラム缶
ビニール袋
回収資材(吸着マット、柄杓、タモ、回収装置など)
 
油処理剤とは
油の粒子を細かくし、自然分解を促進させる薬剤である。
油処理剤には油を中和させる効果はない。よく中和剤と聞くが、
油を中和させる薬剤はない。
油処理剤=分散剤
油処理剤=中和剤
 
油処理剤の使用上の注意点1
・法律上定められた基準に満たない油処理剤を海上で使ってはならない。
型式承認のある油処理剤はすべて基準を満たしている。
・河川、湖、ダムなどの淡水、真水で使用してはならない。
油処理剤は海面以外で使うことを想定されて作られていない。
また、閉鎖水域では油の拡散が期待できないことや、河川は水深が浅く
沈み込む恐れがある。
・家庭用洗剤は絶対に使わないこと。
法律で禁じられている。毒性は高いし、そもそも海で使うことを
目的とした薬剤ではない。
・灯油、ガソリン、軽油、動植物油、潤滑油には有効ではない
有効性はなく、旧運輸省の定めた使用基準(通達)の中でも散布が
禁じられている(※通達で禁じられているのは軽質油(灯油、軽油など)
動植物油)。
 
油処理剤の使用上の注意点2
・油処理剤と吸着材は併用しないこと。
吸着材が吸着しなくなる、吸着した油が流れ出るため。
・原液で霧状に散布すること。
・ムース化した油や薄い油膜の油には効果がない。
・その他にも引火性があるものがあったり、使うと滑りやすくなることや
直接人の肌に触れないよう気を付けること。
 
河川での防除事例
 
作業後の長靴などの洗浄
油で汚れた長靴
①灯油
②油処理剤
③水道水
ウエス等で拭く
油回収・清掃作業後は衣服、手袋、長靴等が油で汚染されており
そのまま周辺を歩き回れば、油汚染を拡大させてしまうことになる。
作業後は自分自身も含め長靴等作業に使用した道具をしっかりと
洗浄することが重要油濁対策事業について
油濁:船舶・工場から流出された油により突発的に漁場が汚染され
または汚染される恐れがあること
 
主な質疑
問:流氷等、氷があった場合の防除方法は如何か(釧路地方気象台より)
答:重大なテーマでありる。質、量によってエマルジョン化するので
ブラシ等での回収装置がフィンランド等で開発している
 
問:処理剤を使うのはどういう場合か(同上)
答:旧運輸省が使っていい場合、いけない場合の通達を出している。
白物(軽油・灯油等)、高粘度化したものは使わないのが基本である。
 
その他、実技訓練における佐々木専門家からのアドバイス
○今回のオイルフェンスで、浮具(発泡スチロールによる)の方に穴が
開いている箇所があった。油が混入すると発泡スチロールが溶けることが
想定されるため、穴をふさぐ必要がある。
 

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